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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞関連の時事ネタを中心に書評ノートを公開中。小説や実用書、自己啓発本についてもたまにエントリー。

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渋谷ではたらく社長の告白

書評

 

サイバーエージェント CEO 藤田 晋さんの自伝。

 

会社の立ち上げ、上場、そして地獄のような転落期を経て、復活するまでのエピソードを作者自身が書き上げている。有名人の自伝はゴーストライターを雇うことが多いが、すべてご自身の言葉で書いているらしい。

 

筆者が上場したのはちょうど今の自分と同じ年のとき。

 

人生は他人と比較するものではないけれど、同い年で(現在は40代?)こんな希有な経験をした人のストーリーを読んでしまうと、刺激を受けずにはいられない。

 

 

 

内容抜粋

 

プライドを傷つけられようが、理不尽なことを言われようが、謙虚に、忍耐強く、何があっても絶対にキレないこと、それを胸に誓っていたのです。

 

宇野社長は、眉間に皺を寄せ、厳しい顔つきでじっとこちらを見ています。

「あの・・・もう・・・、有線に買収されてもいいと・・・」

声にならない声で言いました。

宇野社長は低い声で、私がすべてを言い終わる前に言いました。

「お前の会社なんていらねぇよ」

「え・・・?」

宇野社長の厳しい口調に、私は思わず顔を上げました。素っ気無く、なんの感情もこもらない冷たい言い方でした。

「そんな気持ちでやってたのか。よく考えろ」

体の芯から力が抜けていくのがわかりました。空虚でした。悲しいとか悔しいということ以上に、そのとき、私は空虚さを感じていました。

 

〈俺に涙を流す資格なんてない。泣いているひまがあったら、何とかしてこの危機を切り抜ける方法を考えろ!〉私はぎりぎりと歯を食いしばり、歩道に落ちていた広告のチラシを蹴散らし、わざと胸を張るように大股で歩き始めました。