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日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

「脳にいいこと」だけをやりなさい!

書評

「脳にいいこと」だけをやりなさい!

「脳にいいこと」だけをやりなさい!

 

世界的なカリスマコーチで、自己啓発系分野で大ベストセラーの「ザ・シークレット」にも登場する人物”マーシー・シャイモフ”著、そして脳科学者として有名な”茂木健一郎”が翻訳を担当した一冊。

 

学生時代に購入したものだが、久しぶりに読み返すと、今だからこそ理解できる新たな発見があった。それは「身体」と「心」は密接に関係しており、どちらもきちんとケアしてあげないといけないということ。自分は最近、健康を害して初めてその事実に気付いた。このタイミングでこの本を再読できたのはよかったと思う。

 

この本では、特定の考え方・行動と脳の働きの関連性を具体的に紹介し、最終的に「幸せ」を手に入れるにはどのようなプロセスを踏めばよいか説明してくれている。運動や呼吸法、冥想等、自分が最近実践し始めてその効果を実感していることについても触れられているので、このブログの読者にも是非読んで、内容を実践してほしい。

 

 

 

内容抜粋

人間は「客観的な事実」より、「ちょっと楽観的に物事を見る」傾向があるのです。これは前頭葉を中心にした楽観的に物事を考える回路があって、その働きによるもの。前頭葉の働きを高めて、この機能を活発にすることが「幸せをたくさん感じる」カギになります。

 

思うままの人生を手にいれるためには「脳と人間関係」の関連性も忘れてはいけません。たとえば、本文に出てくる「ミラー・ニューロン」。これは「他人と自分の心を写映し合う機能」をもった神経回路です。この細胞の働きによって、人間の脳は他人の行動を自分のことのように知覚することができます。

 

研究によれば、人生に何が起ころうと、人は「一定の幸せ度」を維持しようとします。その人のだいたいの平均体重と同じで、幸せ度は「意識的に変えようとしなければ」いつまでも同じ値に留まります。

 

幸せ度を左右するのは「50パーセントが後天的な要素」であるらしいことがわかりました。

 

「脳にいいこと」は大きく7つに分けられ、家づくりの工程にたとえることができます。これらをしっかり築けば、脳と身体が上手に機能し、最後に大きな「幸せの家」が完成します。

1.ネガティブ思考の「大そうじ」をする。

2.プラス思考で、脳にポジティブな回路をつくる。

3.何事にも「愛情表現」を忘れない。

4.全身の細胞から健康になる。

5.瞑想などで脳を「人智を超えた大いなる力」につなげる。

6.目標をもち、脳に眠る才能を開拓する。

7.つき合う人を選んで、脳にいい刺激を与える。

 

悲しいときや満たされないときにでも、ひたすら感謝の種を探し、どんなに小さな進歩でもそれを喜ぶようにするとすごいことが起こります。次から次へと幸せがやってきます。

 

幸せな人の脳波は不幸せな人の脳波とは異なり、幸せな人にはアルファー波が多く現れ、扁桃体が出す恐怖のメッセージに対して反応が小さいことを発見しました。

 

「わけもなく幸せ」な人々は、1日のうちに何度も感謝の気持ちを整理します。あなたが感謝するものが、あなたの周りに増えていくーすでにある愛と幸せをありがたいと思えば、愛と幸せは増えていくのです。

 

身体に悪い物を食べなくなってから、エネルギーが満ちあふれてくるような感じがし、身体も心も軽くなって、自分自身をとり戻したような気がしました。エネルギーや心の軽さが食べ物と関係していることは、科学的にも証明されています。

「脳細胞の栄養」をよく考えた食事法

①加工されていない新鮮なものを食べる

②水分を多くとる

③幸せを阻害する食べ物を避ける

・砂糖を控える

→私が話を聞いた専門家は、口を揃えて健康における砂糖の害を説いています。砂糖は強い習慣性があり、脳内のバランスを崩し、憂うつや不安を引き起こし、気だるさやエネルギーの低下を生んで、午後三時ごろになると猛烈な眠けを引き起こす原因になります。人工甘味料は、砂糖と同様の害があるほかに、悪い副作用も付随します。糖分をとるならば、なるべく自然に近い形、たとえば果物などから摂取するようにしましょう。

・炭水化物を減らす

→炭水化物は”全粒”がキーワードです。白いパンや白いご飯、白いパスタなどの生成された炭水化物は血糖値を急激に変化させ、気分をコロコロ変えてしまいます。それらを玄米や雑穀に切り替えるだけでも精神的にずっと落ち着くでしょう。

・カフェインを排除する

→カフェインは脳の化学物質アデノシンの働きを妨害し、結果として血中のアドレナリンを増やす作用があります。カフェイン抜きの緑茶を飲むといいでしょう。お茶は抗酸化作用によって細胞を幸せにするだけでなく、エネルギーの維持にも効果があるといわれています。

 

リン先生の「脳をよくするウォーキング」

運動を習慣にしている人のほうが、気持ちよく暮らすことができます。気功に限らず、ウォーキング、ジョギング、水泳、ダンス、ヨガなどで定期的に身体を動かすと、頭の中の幸福感はなおいっそう高まります。さらに脳に酸素が供給され、身体に前向きな影響を与えるような化学物質やホルモンの分泌が促進されます。

 

気功が効果的なのは、一つひとつの動きに意識を向けられること。どんな運動でもそうですが、意識して動くことによってその効果は倍増します。リン先生は、ウォーキングをしながらこう考えるといいます。「私のエネルギーの通り道はだんだんきれいになっていく。周りの自然にどんどん心が開いていく。終わることにはエネルギーに満ちあふれているはず」

 

アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)の医師ジョン・ドゥイラールによると、「呼吸が浅くても生きてはいられますが、それでは酵素が細胞レベルにまで行き渡りません。幸せをうながす化学物質が細胞の中を流れるようにするためには、深く呼吸し、細胞の中の通り道から老廃物をとり除く必要があります。そこで腹式呼吸は細胞の浄化にとても効果があります。体内に”プラナ”とか”気”と呼ばれるものを増やしてくれ、気持ちのいい状態をつくってくれるのです。」

 

「真夜中前の一時間の睡眠は、真夜中過ぎの二時間の睡眠より価値がある」という教えがあります。「気持ちが落ち込んだときには続けて三日間、夜十時(できれば九時)には眠りなさい」ということでした。これを実行すると三日後には世の中が違って見え、身体にはエネルギーがあふれ、元の明るい自分に戻っていることは間違いありません。

 

一日一回、冥想する

一日十五分でいいから、冥想などで脳内奥ふかくに目を向けるようにしましょう。その十五分が難しい、という人が多いのはわかっていますが、これほど価値ある時間の使い方はありません。冥想はストレスに効くだけではなく、脳の中の幸福感や思いやりを司る部分を活性化して人を幸せに導いてくれるのです。冥想を始めて三ヶ月、一日二十分から三十分しか冥想をしていない人でも、脳機能に幸福感の高まりを示す大きな変化が見られました。

 

驚くべきことにこのミラー・ニューロンは、感情をも映してしまうのです。しかも「感情的なつながりが長く深い間柄ほど、その感染力も強くなる」ということなので、ポジティブな感情ならいいものの、怒りや憎しみを拾ってしまっては大変です。悪影響を受けそうな人とはなるべく関わらないようにして、関わらなければならないときも上手に受け流しています。

 

あなたのエネルギーを拡大させる人は誰でしょうか。逆に縮小させる人は誰でしょうか。避けるべき人が職場の同僚や親戚である場合、その人を完全にシャットダウンすることはできないかもしれません。そんなときには一定の境界線を引き、「そんな話をするあなたとは、深いお付き合いを遠慮します」という意思表示に出ていいのです。

①相手と正反対の態度をとる

②見えない壁があると想像する

③相手を変えようとか正そうなどと思わないこと

 

大きな成功は、少しずつだが継続的な改善によってもたらされます。