初心者が基本情報技術者試験に2週間で合格する方法〜推薦図書紹介〜
書籍&勉強法紹介
今回はIT系の方々を対象にしたエントリーです。題名の通り、基本情報処理試験に2週間で合格する方法を紹介します。
基本情報技術者試験とは
・概要
情報処理の促進に関する国家試験であると同時に、その他の情報処理技術者試験の登竜門的な試験と言われています。
・出題範囲
コンピュータ科学基礎・コンピュータシステム・システムの開発と運用・ネットワーク技術・データベース技術・セキュリティと標準化・情報化と経営など多岐にわたる。
・試験形式
午前に択一試験、午後に筆記試験と一日がかりで試験を実施します。
・受験者層
情報工学専攻の大学生・院生および、IT系企業の社員が大半と言ってよいでしょう。SI系企業の新入社員は会社から半ば強制的に資格取得を促されることも。
基本情報技術者試験の勉強方法
それでは、早速、当試験を短期間で攻略するための勉強法を紹介します。
▪️受験者像
「文系卒でSI系企業に内定がきまった大学4年生」としましょう。ITでのモノづくりに憧れてシステムエンジニアを目指したものの、大学ではプログラミング入門講座を受講したことがある程度で、専門知識はほぼありません。内定先から基本情報技術者試験の受験を課せられましたが、遊びや旅行等でなかなか受験勉強ができず、ついに本番2週間前になってしまった!といった感じです。
▪️2週間の勉強計画
基本情報技術者試験に限らず、すべての情報処理試験で言えることですが、必ず「過去問」を中心に勉強をしましょう。
理由は二つ。
一つ目、出題範囲が多岐に渡ること。参考書の内容を見てもらえば分かりますが、上記のような文系卒の学生が一から完璧に知識を頭に詰め込むことは現実的ではありません。
二つ目、情報処理試験は過去問の使い回しが多いこと。午前試験についていえば、一字一句同じ問が数年に一度必ず出題されます。
以下、私が実際に合格を勝ち取った2週間の学習スケジュールとなります。このスケジュールに沿って基本情報処理試験の学習法を解説します。
①1週目
- 参考書の読み込みを行う。
②2週目
- 過去問を3年分解く。
- 午後試験は的を絞って学習する。
- 午後試験のソフトウェア開発の選択問題は「表計算」について学習する。
①1週目の学習について
いくら過去問中心といっても基礎知識の獲得は必要です。1週目は参考書の読み込みを行います。
読み込みといっても頭から全部理解していくことは難しいので、流し読みを数回繰り返します。使用する参考書は、技術評論社から出ている「合格教本シリーズ」が個人的に最も使い易いと思います。
平成30年度【春期】【秋期】 基本情報技術者 合格教本 (情報処理技術者試験)
- 作者: 角谷一成,イエローテールコンピュータ
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2017/11/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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参考書の読み方については以下のエントリーを参考にしてみてください。一時期話題になった「東大主席→財務省→弁護士」の経歴を持つ超エリート”山口真由”さんの書籍の内容を紹介しているブログです。
実際、私自身もこの学習法でその他資格試験に臨んでおり、その効果を実感しています。細かいところは過去問でやりますので、まず全体像を把握することが重要です。一週間でちょうど”7回読み”できます。
②2週目の学習について
・一週間で過去問を3年分解く。
午前試験の択一問題は全部で80問ありますが、そのうち3〜4割が過去3年分の過去問から出題されます。
つまり、過去問を解いて答え合わせをきちんとしておけば、設問を見ただけで自動的に解答が分かる問題が最低でも3割、つまり24問程度あります。
当試験では午前・午後ともに60点が合格ラインのため、必須正解数48問のうち24問が過去問を解いておくことで消化されます。つまり後の56問中24問を正解すれば合格です。
1週目の読み込みで得た知識をフルに使って過去問の類題を解けば、このボーダーラインには届くでしょう。これで午前試験は突破です。
平成30年度【秋期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集 (情報処理技術者試験)
- 作者: 山本三雄
- 出版社/メーカー: 技術評論社
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・午後試験は的を絞って勉強する。
午後試験は筆記試験です。「情報セキュリティ」、「アルゴリズム」は必須問題となりますが、それ以外は選択問題となります。
記述式でそれなりに知識も問われるので、各大門を全網羅して学習することは非効率です。文系卒ならば「ネットワーク」や「データベース」を避け、解答しやすい「プロジェクトマネジメント」などの過去問を重点的に解きましょう。
※ちなみに「データベース」は、時間をかけて勉強すれば、実は超点取り問題となります。
・午後試験のソフトウェア開発の選択問題は「表計算」について学習する。
午後試験のソフトウェア開発で、初心者でも点が取りやすいと言われているのが「表計算」です。
出題内容がパターン化されており、”相対参照”、”絶対参照”などの頻出されるいくつかのキーワードについて理解を深めておけば攻略可能です。EXCELの使用に長けていればもう本当に点取り問題。最もコストパフォーマンスがよい科目といえるでしょう。
私自身、最初は少しかじったことのあるJAVAで受験しようとしていましたが、受験2〜3日前に表計算に方向転換しました。結果、蓋を開けてみれば、簡単なケアレスミス一問を除けば、全問正解で見事初受験で合格を勝ち取ることができました。表計算については、過去問を3年分解いておけば確実といえます。
※ちなみに午後の筆記試験については以下のような専門の問題集があるので、それらを使って過去問演習を行えば、より効率的に午後試験の学習を進められるかもしれません。
2018 基本情報技術者 午後試験対策 (午後問題対策シリーズ)
- 作者: アイテックIT人材教育研究部
- 出版社/メーカー: アイテック
- 発売日: 2017/09/19
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最後に
上記で紹介した勉強法は「試験に合格すること」のみにフォーカスを当てています。
本来ならば、体系的に一から学ぶべきだ!という考えを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、これらの試験で主題される内容が実際のIT業務に直結することは稀です。
むしろ、実際の業務を数年経験してから受験し、業務で得た知識を体系化して理解を深めていくべきだと思います。そういう意味で、企業が新入社員に無理に資格取得を促すことに対して、私は違和感を感じます。
このため、受験生はその後の業務のことはあまり意識せず、合格するためだけの効率的な勉強を実施し、ご自身の趣味等、他の有意義な活動に多くの時間を割いた方がよいと私は考えます。