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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

法人税の税優遇縮小から政府の財政事情について考える〜日本経済新聞8月10日〜

法人税の優遇縮小検討について

今回のエントリーでは、8月10日の日経新聞で取り上げられていた「法人税の優遇縮小検討」について考える。

該当の記事によると、法人税の利払い費に関して、現行法では税務上の費用(損金)として所得の5割まで認めているところを、国の法改正により3割まで引き下げる方針とのこと。そして、この政策の狙いは多国籍企業による税逃れの抑制」にある。

 

多国籍企業による税逃れとは

これは「各国の税率差」を利用した節税のこと指す。具体的には、税率の高い国で計上するのが自然な所得を低税率国の関連会社に移し替えることでグループ全体として税負担を軽くする。高税率国の会から低税率国の関連会社にわざと高額の利子を払うやり方が代表例(以下図参照)。

 

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このような節税対策は一般的にタックスプランニングと呼ばれ、「スターバックス」などの欧米企業が特に積極的に取り入れているという。多国籍企業によるこの税逃れについては、日本だけでなく、各国政府が連携して抑制しようという機運が高まっており、経済協力開発機構OECD)でも議論が進められているとのこと。

 

財政難との関連性

先日のエントリーで「新型地方交付金」について取り上げた。

 

kaidaten.hatenablog.com

 

地方創生の交付金のための予算が下方修正され、各自治体から不満の声が上がっているという内容だったが、国の方も交付金の財源を捻出することに必死になっているのだ。

国が財源を増やすために血眼になっていることを考えると、外資系企業を対象とした税優遇縮小を検討することは当然と言えるだろう。昨今、消費税増税をはじめとして、税制に関する変化が活発になっている。これからの行政の財源をどのように確保し、そして使用していくのか、注意深く観察していきたい。