kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞関連の時事ネタを中心に書評ノートを公開中。小説や実用書、自己啓発本についてもたまにエントリー。

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「あがり症」を改善するための本

書評&内容紹介

 

近年、学生・社会人に関わらず、人前で話すことが苦手な”あがり症”の方が急増しているという。”社交不安障害”などの疾病の名も最近になってよく聞くようになった。生身の人と人との付き合いが希薄になった今日、”あがり症”は、もはや現代病の一種と言えるのかもしれない。

 

「新田祥子」さんは、東京を中心に、話し方教室”セルフコンフィデンス”を展開する「あがり症と話し方」の専門家。本書では、彼女が話し方教室の中で実際に受講生に実践してもらっているメソッドを詳しく紹介している。1日15分間の「ドキドキを鎮める」練習を始め、話し方や物事の捉え方・考え方まで、あがり症を解消するためのセルフマネジメント法が丁寧に説明されているので、一読の価値ありだ。

 

本書の中で新田さんは、「話し方は技術である」と断言している。実は私自身も”あがり症”で悩んでいた一人だった。会社の研修等で大勢の人の前で発表する際は、まるで戦場に赴くかのような心境(笑)。しかし、まずはこの15分間メソッドから本書の教えを実践し、話し方を改善していくと驚くほど症状が改善された。今では自信を持って、人前でプレゼンテーションすることができる。極度のあがり症は、業務のパフォーマンスに少なからず悪い影響を及ぼしてしまう。もし、私と同じように”あがり症”で悩まれている人がいるなら、まずはこの15分間メソッドをお勧めする。経験上、一度緊張せずに人前で話せるようになると、それから症状は改善傾向に向かう。その第一歩を日々の「15分間練習」を通じて踏み出して欲しい。

 

このエントリーでは、本書の冒頭数ページで紹介されている、この15分間の「ドキドキを鎮める」練習を中心に、「あがらない話し方教室」の内容をを少しだけ紹介してみようと思う。

 

 

 

ドキドキを鎮める15分間練習

▪️ポイント1 表情筋を鍛える

表情筋をいっぱいに使って「あ・い・う・え・お」と発音する。

「あ」の発音は、口がややタテ長に開いている状態がベスト。

→口をヨコに開きながらの「あ」はバツ。必ずタテ長に開いて「あ」と発音する。

「い」は、口をヨコいっぱいに開いて、上の歯と下の歯をつけて発音する。

→大きなスマイルをするつもりで、口をヨコいっぱいに開く。

「う」は唇をめいっぱい中央に縮める。

→これ以上小さくならないというぐらいに縮める。

「え」は「い」と同じ容量で口をヨコに開き、歯と歯の間を少し開けて発言する。

→男性は「い」と「え」の区別がつきにくい人が多いので、特に男性は「い」と「え」を何度も繰り返して発音する。

「お」は唇をややタテにしながらしっかりと中央に縮め、「お」と発音する。

→「あ」と「お」を繰り返して発音すると、頬の筋肉がよく動くようになる。

 

▪️ポイント2 アゴを動かす

あがり症の人はたいがい早口だが、この早口を遅くしたり、説得力を出すために言葉のスピードに緩急をつけることを、アゴでコントロールしながら行う。アゴを動かすためには、「あ」と「う」を繰り返し連取する。「あ」は母音の「あ」と同様、口をややタテに開く。そのまま「う」に移行するが、「あ」の口を唇を中央に集めてすぼめ「う」と発音する。この「あ」と「う」の練習で、アゴが動きやすくなる。このアゴを動かす練習を10回前後することで、見違えるほど言葉が滑らかになり、話すことがラクになる。

 

▪️ポイント3 声帯を開く

あがり症の人に多いのが、声が震えるという悩み。声はもともと声帯を振動させて作り出された音のため、誰でも多少は震えるもの。しかし緊張して身体が硬くなると声帯も硬くなるため振動のキメが荒くなり、そのキメの荒さを震えとして認識し、あがり度が増幅されてしまう。改善法としては、日頃から声帯を開いて話す、ということ。声帯を開くトレーニングとしては、まず、両足を肩幅に広げ、いちばん低い声で「あー」と発音する。声は小さくてもかまわないので、いちばん低い声で30回ぐらい発音するだけで声帯が開き、声が出しやすくなる。この練習の期間は人によって異なるが、ほとんどの人は1週間前後で声の変化に気づく。また、継続して練習した男性はバリトンのような響きのあるいい声に変わる。声の変化から人前で話すことに自信がもてたり、楽しいと感じられるようになったという人もいる。

 

▪️ポイント4 ロボット言葉で話す

表情筋を使いながら口をタテヨコに開き、リズミカルに、ゆっくりと、「わ、た、し、の、な、ま、え、は」というように、母音、子音をひと文字ずつしっかりと発音しながら話すということ。ただし、ロボット言葉は、「母音・子音の明確な発音法を話し方に落とし込むためのもの」と理解し、実践の場では、「口をタテヨコに開いて、ゆっくり話す」ということを意識する。

 

以上、このたった15分のトレーニングだけで、話し方教室受講生の実に90%以上の方が一回目のスピーチから、心臓のドキドキや身体の震えがなく話せるようになっている。

 

あがり症を改善する考え方

また、本書の中ではあがり 症を改善するための考え方についても触れられており、以下のように紹介している。

「一日一日の積み重ねのなかで経験したことや体験したことを記憶に刻みながら現在があるため、人前であがるというのも学習によって身につけた習慣、記憶のひとつに過ぎない。その嫌な習慣を変えるためには、「あがらないで話す」という新しい経験を通して記憶の上書きをし、それを新しい習慣にすればよいだけだ。」

 どうだろう、少し前向きな気持ちになれないだろうか。私もこの言葉には共感できる。克己心を持って正しい喋り方を自分の中に刷り込み、成功体験を積み重ねれば、必ず”あがり症”は改善されるはずだ。

 

言葉の姿勢

また、その他に言葉の姿勢をよくすることも重要とのこと。言葉の姿勢とは、発話者の母音・子音がしっかりと発音されて相手に届くということ。つまり滑舌よく話すということ。言葉の姿勢をよくするためには、母音・子音の発音に大きな影響を及ぼす舌や唇、口の周りの筋肉を鍛える必要がある。舌の筋肉を鍛えるためには、舌を丸め、上の歯で軽く押さえ、舌をしっかりと吸い込む。一日に数回、舌を丸めて吸うことを繰り返すだけで舌に筋肉がついてくる。また、唇や口の周りの筋肉を鍛える方法としては、唇を中央に集めて何度も「う」の形を作ったり、自然な形の唇が薄くなるまで力を入れるということを繰り返す。それだけで唇や口周辺に筋肉がついてくる。

 

以上、「あがらない話し方教室」の紹介でした。このエントリーが、”あがり症”で悩む多くの人の一助となれば嬉しい。