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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

そごう・西武が大型通販サイトを展開〜日本経済新聞9月15日〜

 

そごうと西武が新しい通販サイト「e.CASTEL(イー キャステル)」を開設

そごうと西武(セブン&アイホールディングス傘下)が通販サイトを開設するそうだ。9月15日の日経新聞でその内容が取り上げられていた。「なかなか面白いことしてるな」と思ったので、今回のエントリーでは、セブン&アイホールディングスが打ち出すこの新たな通販サイト「e.CASTEL(イー キャステル)」から、物流大手の企業戦略を探ってみよう。

 

 

 

日経記事要約

セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は多様な海外高級ブランドを集めた通販サイトを2015年11月に開く。ブランドの衣料やアクセサリーを横断的に販売する通販サイトは珍しい。注文した商品は全国のセブンイレブン1万8000店で受け取ることもできる。セブン&アイが進めるネット事業強化に向けた主要な施策と位置づける。

開設する通販サイトの名称は「e.CASTEL」。アルマーニやブルガリ、ティファニーなど世界の有名ブランド約40種を扱う予定だ。そごう・西武が商品を仕入れ、サイト上で原則”定額”で販売するかたちとなる。百貨店店舗で高級ブランドと長く取引してきた強みを生かす方針だ。ブランド数は順次拡大していき、3年後までに100ブランドまで広げる。そごう・西武は、幅広い消費者が利用できる同サービスを通じて、店舗のない地域の需要の取り込みを図る。

注文した商品は自宅だけでなく、セブンイレブンなどグループの店舗でも受け取れるようにする。正規輸入品のため修理などの手厚い保障がついていることも消費者にとって利点になるという。各ブランドの専門店のほか、そごう・西武の店舗で修理などのアフターサービスも充実している。(以下図参照)

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現在、セブン&アイはネット事業に力を入れている。しかしながら、アマゾンなどのネット通販専業大手には大きく引き離されている状態。このため、店舗とネット通販を効果的に連携させる「オムニチャネル戦略」を本格的に進める計画だ。今回の「e.CASTEL」も戦略の柱の一つ。コンビニでの受け取りに加えて、百貨店の仕入れ力を生かした豊富なブランド品揃えによって、ネット専業大手との差別化を図る。

 

アマゾンとの差別化、「ウィンドウショッピング→ネットで購入」流れ阻止なるか?

セブン&アイグループが開設する「e.CASTEL」。おもしろいと思う。記事で述べられているように、百貨店は長年の実績からブランドの仕入れ力に関しては、ネット専業と一線を画す。それを武器にこのタイミングでネット通販に乗り出したことは賢明な選択と言えるだろう。また、以前、家電量販店業界を中心に深刻な問題になっていた「店舗で見るだけネットで購入」の抑制にも繋がるかもしれない。ポイントは正規品を定価でネット購入できてる点、アフターサービスが充実している点にある。家電などは、店舗を持たないアマゾンなどのネット専業が量販店よりも安価な値段で商品を提供することで、上記のような消費者離れが過去急拡大した経緯がある。しかしながら、ブランドものに限っては、正規品を店舗で購入したいという需要が非常に高い。そのニーズを生かし、店舗のない地域の消費者を取り込もうとする戦略は間違っていないはずだ。ネット専業とうまく差別化できているといってよい。「正規品を定価で購入できて、かつ百貨店での保障付きなら!」ということで、今後、恋人・家族・友人へのプレゼントとして同ネット通販サービスを通じて商品を購入する消費者も増えるだろう。サイト解禁は11月ということだが、新しい通販サイト「e.CASTEL」がどのような躍進を遂げるのか、見ものである。