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日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

IoTの利用 車と車をつなぐコネクテッドカーの普及に向けて〜日本経済新聞10月17日〜

 

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IoTとコネクテッドカー

トヨタの「自動運転車」導入に向けた取り組みを以前のエントリーで紹介した。

 

kaidaten.hatenablog.com

 

今回は、IoTを利用した「コネクテッドカー」に焦点を当ててみよう。あらゆる、ヒトとモノを繋ぐ「IoT」。その新風は自動車業界にも大きく吹いている。参考にした日経記事は10月17日一面「トヨタ、ネットで運転支援~全車種に通信機能~」および三面「きょうのことば」。

 

 

 

日経記事要約

トヨタは日米で販売するすべての乗用車に通信機能を標準装備する。2016年を目処に新型車への搭載を始める方針だ。各種センサーを通じて走行状況などの情報を毎時取得する。集めた膨大なデータを活用して、運転支援などの新サービスも開発する。今回、トヨタの標準化により「コネクテッドカー」の普及が加速しそうだ。

 

そもそもコネクテッドカーとは?

通信を介してインターネットなどに接続できる機能を備えた車のことを指す。車両の状態や周囲の情報を取得・分析することで事故時に緊急通報するシステムなどが実用化されている。今後、機能性が高い自動車へのニーズが多い先進国で普及が先行すると考えられている。通信回線の高度化で従来より大容量データのやり取りが可能になっていることや、通信端末の低コスト化などが追い風になり、グーグルをはじめとしたIT各社もビジネスチャンスを伺っている。

 

トヨタの今後の動き

大手メーカーによる通信機の標準搭載は初めてとのこと。トヨタは取引関係があるKDDIなどに回線提供の拡大を申し入れた。米国でも地元の通信大手と組む方向だ。トヨタは既に、オプションで通信機を搭載した車を販売しており、2013年時点で約10万台が国内を走っている。地図情報の自動更新などに使われていた。

 

コネクテッドカーの普及によって得られるもの

今後はすべての乗用車に段階的に通信機を標準装備し、様々な情報を集められるようにする。エンジンや変速機に取り付けたセンサーで得た情報をデータセンターに集約し、故障を予測しドライバーに点検を呼びかけるといった使い方も可能になる。開発中の人工知能(AI)を活用して、ドライバーの運転パターンを分析し、省エネドライブなどを提案する。事故の際に、人が連絡しなくても緊急車両の手配を依頼できるサービスを利用できるようになる。ドライバーのカーライフが様々な方面でよい方向に向かうことになりそうだ。

 

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感想

コネクテッドカーについては、高速道路での渋滞予測のシミュレーションに利用できるなど、学会でも広く注目されている。日経記事に書かれているように、地上を走るあらゆる車から情報を集め、それを蓄積・解析することで、ドライバーによりよいサービスを提供できるようになる。トヨタが今回、業界のパイオニアとして通信機の標準装備に踏み切ったことは高く評価できる。産業界ではあらゆるモノがネットワークにつながる「IoT」が注目を集めている。今後、車はこの領域でも大きな市場になるだろう。一方で、外部のハッカーに侵入され、車が勝手に操作されたり情報が漏洩したりするリスクも高まる。普及には、こうした面の対策も不可欠になるだろう。車各社にはこのような課題にも果敢に挑戦していってもらいたい。