2015年の主な出来事まとめ〜日本経済新聞12月24日〜
日経新聞から2015年を振り返る
2015年も本当に様々な出来事があった。
一時、15年ぶりに日経平均株価2万円代を回復した日本経済。TPPの大筋合意など貿易国としての復活に向けた取り組みを加速。マイナンバー法施工など暮らしに関わる制度も大きく動き出した。
また、ラグビーワールドカップでの活躍やノーベル賞の連続受賞など、スポーツ・文化面でも脚光を浴びた2015年の日本。
注目の分野でのトピックスを例のごとく日経新聞の記事を題材に時系列で振り返ってみよう。対象の記事は日経新聞12月24日「2015年の主な出来事」
2015年の主な出来事
▪️1月
日豪EPAが発効
阪神・淡路大震災から20年
大相撲、白鵬が史上最多33度目の優勝
▪️2月
日・モンゴルEPAへの署名
英国のウィリアム王子が初来日
▪️3月
東日本大震災から4年【TOPIC1!】
常盤自動車道が全線開通
情報収集衛星を搭載した[H2A]ロケット28号機の打ち上げ成功
▪️4月
機能性表示食品制度がスタート
成田空港にLCC専用の第3旅客ターミナルビルが開業
日経平均株価、15年ぶりに2万円台回復
▪️5月
ミラノ万博開幕。日本の食文化を紹介する日本館が活況【TOPIC2!】
円12年半ぶり安値、1ドル=124円台
JR仙石線、4年2カ月ぶりに全線再開、東北本線とつなぐ仙石東北ラインも開業
▪️6月
日本・サウジアラビア外交関係樹立60周年
2016年の「伊藤志摩サミット」決定
日韓国交正常化50年
[日本再興戦略]改訂2015を閣議決定
▪️7月
[明治日本の産業革命遺産]世界文化遺産に登録
なでしこジャパン、FIFAサッカー女子ワールドカップで準優勝
米国とキューバ、54年ぶり国交回復
▪️8月
戦後70年の安倍首相談話を閣議決定
無人補給機「こうのとり」打ち上げ成功、国際宇宙ステーション(ISS)に物質補給
女性活躍維持法が成立【TOPIC3!】
▪️9月
2020年に向けた経済成長の推進力となる[新3本の矢]発表
ラクビーワールドカップ、日本代表、初の1大会3勝を挙げる(9〜10月)
▪️10月
ノーベル生理学・医学賞に大村智氏、物理学賞に梶田隆章氏が決定【TOPIC4!】
TPP、日米など12カ国が大筋合意
マイナンバー法施行、[通知カード]の発送始まる
ハロウィーン商戦広がる
▪️11月
日本・ブラジル外交関係樹立120周年
国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」、初飛行成功
新設の野球国際大会「プレミア12」、侍ジャパン3位
▪️12月
2015年ノーベル賞授賞式開催
COP21、[パリ協定]を採択
TOPIC1 被災地の今〜震災から4年「進むまちづくり」〜
3月に常盤自動車線開通、5月にはJR仙石線が4年2ヵ月ぶりに全線再開、東北本線とつなぐ仙石東北ラインも開業するなど、被災地のインフラ復旧が進む。また9月には福島県楢葉(ならは)町全域の避難指示が解除されるなど、地域社会の復興も徐々にではあるが進みつつある。津波による大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の復興事業の進展ぶりにも励まされる。同市中心市街地では、住宅の高台移転と低地部のかさ上げによる新たなまちづくりが急ピッチで進む。事業のスピードアップのため、調査・測量、設計、施工を一体的に進めるCM方式が採用、土砂の搬出には全長3キロメートルにも及ぶベルトコンベヤーが設置され、工事の早期完了が図られた。今年9月、「希望の架け橋」とも呼ばれたベルトコンベヤーは稼働を停止、当初8年かかるといわれていた土砂の搬出は1年6ヵ月で終了した。今後は搬出した土砂によるかさ上げや、農地の復旧回復などの工事が進められる。
TOPIC2 魅力再発見〜「日本の食」求め、ミラノ万博大盛況〜
5月から6カ月間、「食」をテーマに開催されたミラノ万博。日本館では連日数時間の待ち時間が発生するなど大盛況だった。「いただきます」や「もったいない」など日本人の食に対する感謝の精神、農林水産業の技術などを体験型の展示で紹介。約228万人が来館し、展示鑑賞の金賞も受賞した。日本の食に対する関心は健康的なイメージにより以前から高かったが、2013年にユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録されたことから、文化的な側面も注目されるようになり新たな弾みがついた。後押しするのが訪日観光客の増加だ。観光庁の発表によると、12月1日時点で1801万人となり、初めて1800万人台に乗せた。訪日観光客の目的の一つは本場の日本食。すしやてんぷらなどは以前から人気だが、うどんやそば、丼ものなどの庶民の味、鍋物などの地方の味にも人気が拡大してきた。本場の味を体験した人たちが、自国に帰ってから本格的な日本の味を求めるため、食材輸出の拡大など好循環が期待される。
TOPIC3 新たな成長へ〜企業の対応に注目「女性の活躍推進」〜
女性活躍推進法は従業員301人以上の企業に社内の女性の活躍推進を目指した行動計画署作りを義務付ける。女性管理職比率や採用の女性比率など数値目標を定めて実現が求められる。2016年4月1日までに行動計画を立て、国に届け出ることが定められており、企業の対応が注目される。一方、女性登用を進めながら業績を向上させている企業も増えている。経済産業省と東京証券取引所は、2012年から女性登用や育児・介護と仕事の両立などを実現している企業を「なでしこ銘柄」として選定、3回目の今年は昨年の26社から5割増えた40社が選定された。課題も残る。特に地方に多い非正規雇用の女性の就業継続に向けた対策だ。非正規女性の育休復帰率はわずかといわれており、結婚・出産後の仕事への復帰が困難なのが現状だ。非正規女性、男性も共に子育てしながら仕事を継続できる仕組み作りが求められており、議論が進む「働き方改革」とリンクした取り組みが必要だ。
TOPIC4 ノーベル賞〜日本人「ダブル受賞」〜
日本人のノーベル賞受賞は2年連続、2000年以降では16人が受賞しており、自然科学分野では米国に次ぐ受賞者数を誇る。日本の科学技術力の高さとともに注目したいのが、受賞研究を支える企業の力だ。梶田教授が「ニュートリノ振動」を発見した「スーパーカミオカンデ」の建設には、鉱山の掘削技術、造船会社の貯槽技術、IT企業のデータ処理技術など日本企業の力が結集されている。同施設に隣接し、来年稼働予定の重力波観測装置「KAGRA」の工事にも日本の超高速精度エンジニアリング技術が生きる。大村教授による抗寄生虫作用を持つ有効物質の発見は、共同研究をしていた米製薬企業より河川盲目症治療薬として製品化された。近年のノーベル賞は新産業の創出に対する貢献が大きく評価される傾向がある。カーボンナノチューブ、量子コンピューターなど、次世代の産業の柱とされ、ノーベル賞候補と目される技術にも日本の研究者が大きく貢献しており、受賞に期待が高まる。
さいごに
今年も、良いこと悪いこと含めて様々な出来事があったが、個人的には、地道に努力できる日本人の国民性を誇りに感じる一年だった。震災復興、スポーツ、研究、経済、あらゆる分野においてスポットライトが当たった人たちが存在する。立場や性格はそれぞれ異なるが、その背景には、長期間あきらめずに一つのことに集中し続けた”過程”が必ず存在する。最近よくブログで使っている「克己心」という言葉。この言葉を彷彿とさせる出来事がたくさんあった一年だった。来年はどのような年になるだろうか。良いニュースをたくさん見聞きできる一年であってほしい。