kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞関連の時事ネタを中心に書評ノートを公開中。小説や実用書、自己啓発本についてもたまにエントリー。

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凡人が京都大学理系学部に現役で合格する方法

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凡人でも京都大学には合格できる

過去のエントリーでそれとなく触れてきたが、私は一応、京大卒だ。京都大学工学部を卒業し、そのまま京都大学大学院に進学。修士号取得後、就職してサラリーマンとなった。

 

当ブログでは、日経新聞や実用書を中心に記事を公開しているが、中でも資格取得のための勉強法のエントリーに人気が集まる。堅苦しい時事よりも、役に立つ”メソッド”に需要があるというわけだ。

 

今回このようなエントリーを公開するに至った背景もそこにある。大学受験を経験してから久しく経つが、自分なりの受験勉強法やマインドの持ち方、そして出身者だからこそ分かる京大の実情を公開することは、それなりに有益な情報を世に提供することに繋がるのではないか、そんなことをふと思い立ちこのような記事を書いている。

 

ちなみに、私は幼稚園から高校まですべて公立だ。両親には本当に世話になったので何の文句もないが、大学の学費は全て奨学金で支払っていた。育ちは世間の平均と変わらない。それでも京大の工学部に現役で合格することができた。

 

もはや「書評ノート」というブログの題名からはかなり逸脱したエントリーとなるが、これは私のブログだ。書きたいことを、書きたいときに、書きたいだけ書く。それが私自身のためになる。なので良しとする。

 

 

 

京都大学の理系学部の壁は世間の認識ほど高くない

早速だが、京大工学部の二次試験の倍率をご存知だろうか。

 

だいたい2〜4倍だ。

 

思っていたよりも低く感じないだろうか。もちろん母集団のレベルは高い。前段階のセンター試験の結果を鑑みて、京大受験を決めた人達が受験するわけだから当然だ。学科によってその母集団の偏差値も変わってくる。

 

しかしながら、模試の結果だけで安易に受験を諦めるのは勿体無い。試験には何が起こるか分からない。模試でA判定だった人が不合格になることはあるし、逆も然りだ。数パーセントだが万年E判定から合格を手にした人もいる。模試の判定は、”統計”をもとにしているに過ぎない。単なる確率の問題だ。

 

確率を上げるために勉強するわけではない。”試験当日”合格ラインを突破するために勉強するのだ。同じことのように聞こえるかもしれないが、ニュアンスは大きく異なる。割と多くの人が模試の結果をもとに京大の受験を諦めるが、その中には”当日”京大に合格できたであろう人も含まれている。2〜4倍の倍率なら、模試の結果が悪くても、当日の試験問題との相性次第で合格を勝ち取ることは十分可能だと考えてほしい。これは他の大学を受験する際にも当てはまることだ。

 

京大の試験形式の特徴

国公立大学であれば、一次がセンター試験。二次が各大学個別の専門試験となる。京大工学部の場合、この一次と二次の得点配分が1:4。圧倒的に二次試験の結果、つまりその大学との適正を重視していることが分かる。

 

必然的に受験対策も二次試験に重点を置いて進めていくことになる。ただ、京大の二次試験に焦点を合わせて勉強していれば、センター試験の対策はさほど必要ない。

 

京大の二次試験の特異さは有名だ。東大の二次試験の場合、とにかく回答数が多く様々な角度から問題が出題される。事務処理能力の高さや正確性が問われているのだろう。

 

一方で、京大の二次試験は”深く”より”深く”考えることを重視して構成されている。数学が最たる例だ。試験問題が”一行”ということも多い。個の特性を重んじる研究肌の強い大学であるため、一つのことを深く探究できる能力を試験で検証しているのだ。この形式の場合、部分点を貰うことがなかなか難しい。生半可な知識では攻略できない。

 

東大の試験が、多くの問題を効率的に解いて部分点を掻き集める処理能力が必要になる一方、京大では一問を完答できる粘り強さ?が必要という感じだ。

 

京大受験のための教科別勉強法

次に具体的な勉強法について。

 

京大出身の人間には天才型と秀才型がいるが、私は天才型ではない。自分のことを”秀才”と呼ぶのはおこがましいが、間違っても天才型ではない。小学校の頃の成績は悪かったし、当時通っていた地元の塾では、”がんばりましょう”クラスに入ることもしばしば。もちろんその後”がんばって”勉強したので京大に入学することができたわけだが、IQはそれほど高くない。そんな凡人代表とも云える私が京大合格のために何をしたか?

 

「丸暗記」だ。

 

そう「丸暗記」。詰め込み教育万歳。ひたすら時間をかけて丸暗記する。社会や理科だけではない。数学も結局は解法の暗記に過ぎない。

 

受験勉強をするからには「暗記」という作業は避けて通れないわけだが、天才の場合、最小限の知識を組み合わせて正解に辿り着くことができる。このため、暗記量は少なくて済む。地頭がよければ一度説明を受けただけで、概念や考え方を理解して自分のものにすることができる。解法は知識と知識の組み合わせで構築されるので、天才型はこの組み合わせがポンッと出てくるらしい。

 

一方、凡人にはそんな芸当はできない。だからひたすら丸暗記をすることになる。本来なら知識の組み合わせで答えを導き出すべき問題も、分からないのであれば、暗記項目の1パターンとして捉えてしまえばよい。もちろん時間はかかる。人の倍以上勉強する必要がある。ただ、丸暗記するだけで、今後の人生に付き纏ってくる「学歴」を得ることができる。コストパフォーマンスは悪くない。

 

丸暗記の鉄則は何か?「良書を何度も何度も繰り返すこと」だ

 

ということで、以下科目ごとに京大合格に最適な書籍を紹介するので参考にしてほしい。

 

数学

言わずと知れたチャート式。赤、青、黄と三種類あり、赤が一番難易度が高い。京大工学部レベルであれば、青チャの例題と演習問題の解法を頭に叩き込むだけで事足りる。私が京大合格後に成績を確認した際、数学の偏差値は合格者のみを母数としても60を超えていた。凡人が、解法の丸暗記によって京大の理系数学の試験問題で、合格者平均を大きく上回ることができたのだ。

 

数学が好きでたまらない人は「大学への数学シリーズ」に手を出してもよいかもしれない。”大学生”でもお手上げの超難問揃い。回答者は難関私立の高校生ばかり。ちなみに私は手も足も出なかった。

 

英語

英単語のテキストは速読英単語「速単」を使用していた。初級編と上級編があり、二冊に記載された単語を完璧に覚える。ちなみに、速単が嫌ならターゲットでもよい。

 

単語を覚える際のコツは、定期的に1ページ目からやり直すこと。私が学生当時、堀江貴文ホリタンなる英単語帳を出していたが、その単語帳に記載されていた彼の暗記法はオススメだ。ホリエモンの英単語暗記法は「反復する単語の量を増やしていく」やり方。最初の10単語を覚えて次の10単語を覚える際、新しい10単語だけを覚えるのではなく、最初の10単語も合わせて20単語暗記するようにする。次の10単語を攻略するには、30単語を暗唱できるようにならなければならない。このやり方だと、必然的に最初の方のページに記載された単語が頭の中に染み付く。ページの前半に記載されている単語は頻出の重要な単語であるため、効率的な暗記法だと今でも思う。 

 

それなりの公立高校なら、文法やラインティングのテキストとしてForestを使用しているところも多いと思う。センター対策も含めて、この一冊を丸暗記するだけで問題ない。受験生当時の私は、英語は単語と文法の組み合わせだとシンプルに考えていた。さすがに二次試験では苦戦したが、センター試験では、過去問演習をほとんどすることなく200点中198点(リスニング除く)を獲得することができた。

 

長文読解やライティングの参考書については残念ながらご紹介できない。主に地元予備校のテキストを使用していたためだ。ただ、予備校に通っている学生ならそこのテキストを使えばよいし、もちろん京大の過去問を使用しても問題ない。

 

物理 

「重要問題集」シリーズ。物理はこのテキストで基本から応用まですべて網羅できる。本書をひたすら反復演習すれば、京大物理にも十分対応できる。

 

「難問題の系統とその解き方」シリーズ。略して”難系”。余裕がある人は本書に手を出してもよいかもしれない。ただ、軒並み難しい問題ばかりなので、基礎的な学習をきちんと終えてから取り組まないとあまり意味がない。

 

化学 

2016 実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学

2016 実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学

 

化学も物理と同じく「重要問題集」を愛用していた。後は後述するZ会のテキストのみ。重要問題集は基礎から応用までステップアップしながら幅広く知識を習得できるので、本当におすすめ。 

 

国語

大学入試センター試験過去問レビュー国語 2017 (河合塾シリーズ)

大学入試センター試験過去問レビュー国語 2017 (河合塾シリーズ)

 

 

私の場合、国語はセンター試験対策を中心に学習を進めた。というのも、私が受験生時代、京大工学部の二次試験科目は数学、理科、英語の3つだけだったからだ(翌年から国語が追加された)。参考書類は学校で配布されたものを使用し、単語や文法の復習を一通り終えた後は、過去問対策一択。過去問25年×2回分を解ききって対応した。

 

社会

社会も同じくセンター対策のみ。科目は地理を選択。ものすごく分かりやすい参考書があって、かなり重宝したのだが名前を完全に忘れてしまった…(思い出したらUPします)。地理の学習には「白地図」を利用することをお勧めする。世界は繋がっているのだ。試験で問われる地理情報を個別に覚えるのではなく、俯瞰的な視野で面的に獲得していくとかなり応用が利くようになる。学んだことはなんでも白地図にプロットし、自分オリジナルの参考書を作り上げてみてもよいかもしれない。

 

教科全体 

京都大学(理系) (2017年版大学入試シリーズ)

京都大学(理系) (2017年版大学入試シリーズ)

 

京大レベルになると、過去問がそのまま出題されることはまずないが、少なくとも出題傾向を把握することはできる。センター試験が終わり、基礎知識の復習が終わったならば、後はひたすら過去問と向き合うことだ。最低でも二周はしておきたい。勉強は、解法を長期記憶に定着させたとき、二次曲線的に労力が成果となって現れる。数をこなすこと自体を目的にするのではなく、解法を頭の中に叩き込むことを意識することだ。

 

www.zkai.co.jp

そしてZ会。良質なテキストと添削に重宝した。私は、京大特化型の「京大即応コース」を受講。物理と化学については、過去問すらほとんどやらずにZ会のテキストの復習に時間を費やした。テキストの問題構成が京大の過去問そのもので、かつ体系的に一連の知識を獲得できるよう設問されているので、ある意味、過去問よりも学習効果が高いのだ。自己管理ができる人であれば、予備校よりもZ会を選んだ方がお得で無駄がないと思う。実際、Z会のみで東大・京大に合格した知人を何人か知っている。

 

 

 

京大受験で持っておくべきマインド

受験勉強は長期戦だ。モチベーションをムラなく一定に保ち、粛々と学習を進めるためにはメンタル面でいくつか工夫が必要である。以下、私が実践していて効果があったものを紹介する。

 

合格者の体験談を読む

 「私の京大合格作戦」シリーズ。受験生時代、よく本屋で立ち読みしていた。学習を進める途中で、「本当にこの勉強法で大丈夫なのか?」「このペースで本番までに間に合うのか?」という悩みに何度か直面することになるだろう。私はその度にこの本を読み、合格者の勉強法を参考にしながら、時にはスケジュールの軌道修正をした。

 

そして何より勇気をもらった。「自分にもできる、やれる!」そんな自信が不思議と湧いてくる。特に、模試でなかなか結果が出ないながらも最後に逆転合格を掴んだ人の体験談には、ある種の感動を抱くだろう。

 

オープンキャンパスに参加する

夏休みに入ると、各大学がこぞってオープンキャンパスを開催する。これには是非とも参加しておきたい。大学の雰囲気を肌身で感じることのインパクトは予想以上に大きい。各界の一流者が口を揃えて言うように、何かに挑戦する上で、自分の中に成功のイメージを明確に持つことは非常に重要である。その大学に実際に足を運ぶことで、合格後の自分をイメージしやすくなる。私自身も、高校二年生時、友人にたまたまオープンキャンパスに誘われたことをきっかけに「京大でキャンパスライフを送りたい!」という想いを強くし、猛勉強の末、合格の切符を勝ち取ったという経緯がある。

 

 部活動にも積極的に取り組む

できることなら部活動にも積極的に取り組もう。文武両道の難しさは言わずもがなだが、逆にメリハリのある学習を行う癖が自然と身につく。特に運動部の場合。適度な有酸素運動は脳細胞を活性化し、学習効果を高めることが科学的に周知の事実となっている。現役生の最後の追い込み力は単なる神話ではない。学習と並行して様々な活動に興じることで、それだけの集中力を養ってきたのだ。何より、人生を通じて取り組む趣味の獲得に繋がるかもしれない。入学後、部活動・サークルを選択する際にも大いに参考になるだろう。

 

卒業者が語る京大の真実

ここからは、大学院含め6年間京大に在籍した私から京大の実情についてご紹介しよう。「夜は短し歩けよ乙女」「鴨川ホルモー」など、京大生を主人公にした小説がいくつか出版・映像化されている。だいたいあんな感じだ。ある程度デフォルメされているものの、「レトロで怠惰」という京大の本質をよく描いている。

 

京大生はモテるか?

京大生はモテるのか?実際のところ人による。容姿やノリがいい人はモテるし、いわゆるイカ京(いかにも京大生的なダサい人の総称)はモテない。ただ、加点要素にはなっている感じ。

 

男女比が3:1の京大では、他大学と合同のインカレサークルが多く、京大生は内部の女子の他に、京都女子大、同志社女子大ノートルダム女子大などの女子大生と交際することが多い。ちなみに、私の奥さんの出身校は上記3つの大学の中のうちの一つで、元カノは京都女子大の学生だった。奥さんの学生時代の仲良しコミュニティの6人中4人が京大生と結婚しているらしい。まぁそういうこと。

 

女子の場合はどうか?普通の容姿をしていればぶっちゃけ学内でモテる。コミュニティにおける数の希少価値は侮れない。社会に出ると高学歴女子は煙たがられる傾向がいまだに消えていないので、京大女子は学生中に花婿候補を見つけておくことだ。

 

どんなサークルがあるか?

基本どんなサークルでもある。テニスサークルやフットサルサークルは乱立しており、真面目にスポーツに取り組んでいるところもあれば、飲み会やイベントに精を出しているところもある。乗馬サークル、自転車サークルなどのマイナースポーツのコミュニティもあるし、文科系の部活も充実している。ちなみに、アメフトサークル「ギャングスターズ」はめちゃくちゃガチで強い。最近法人も設立したようだ。京大生のトップサークルは関西圏でも屈指の実力を誇る。勉強だけでなく、なんでも全力というわけだ。京大出身のプロ野球選手が誕生したことも記憶に新しい。

 

つまり、やりたとがあればなんでも楽しめる。それが京大だ。大学の規模が大きいメリットはこんなところにもある。

 

京大生のバイトは?

鉄緑会を筆頭に、高時給の塾講師・家庭教師が人気だが、周りが京大生で飽和しているので意外と倍率は高い。飲食系のアルバイトをしている学生も数多くいる。私もその一人だった。学生はとにかくお金がないので、賄いが出る飲食系は根強い人気がある。その他、少数ではあるが、アパレル系の仕事やホスト・ホステスといった夜の仕事に携わる知人もいた。

 

理系学生の運命

京大の理系学生は必ずサークルや部活に所属しておこう。理系学生が一般的なキャンパスライフを送れるのは、吉田キャンパスに所属する3年生(関西では3回生という)までで、4年生になると大半の学生は桂キャンパス宇治キャンパスの研究室に配属される。どちらも研究するには最高の環境だが、周りになにもない孤高のキャンパスだ。日常生活で恋愛できる機会は格段に少なくなる。サークル内の繋がりは就活でも活かせるので、そういう意味でも所属するコミュニティを増やしておくに越したことはない。

 

さいごに

以上、京大受験の勉強法から内部事情までご紹介してきたが、いかがだったろうか。

 

京大を卒業して社会人になった私が今思うことは、奇しくも、「人は学歴では判断できない」という事実だ。同じ会社の同僚の中には、マイナーな大学を出ているものの、専門性が高く仕事ができる人間が何人かいる。私は彼らをリスペクトしているし、逆に高学歴で無能な人間に対しては、軽蔑とまではいかないものの、残念だな〜としみじみ思う。

 

しかしながら、高校時代の特定期間にものすごく努力し、第一志望の大学への合格を勝ち取ったことは今でも私の自信になっているし、京大に入ってよかったことはあっても後悔したことなど一度もない。頑張って自己実現を重ねる姿は純粋に素晴らしいと本当に思う。京大を目指す理由は人それぞれだと思うが、高みを目指すからにはその夢を成就させてほしい。