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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞関連の時事ネタを中心に書評ノートを公開中。小説や実用書、自己啓発本についてもたまにエントリー。

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自分の軸を他人に合わせるな〜コンビニ人間〜

小説

芥川賞受賞のコンビニ人間

一行目から「この作品はおもしろい!」と感じた。久しぶりにヒット作に出会うことができたので、更新が滞っていたブログを再開し、書評をエントリーする。

 

 

 

人と違うことに悩む中年女性が主人公

現代社会では、多くの人が人間関係で悩んでいる。私もずいぶん悩んできた。

 

悩む理由は、自分の存在価値やモチベーションを他人に合わせているから。 みんな周りに良く思われたいし、評価されたい。変に思われたくないし、受け入れられたい。自分と周囲とのギャップが大きければ大きいほど、それはストレスに繋がる。

 

本書の主人公は、36歳で恋愛経験なし、コンビニアルバイトしか社会経験のない女性。

 

幼い頃から”変人”のレッテルを貼られ、肩身の狭い思いをしてきた。だがしかし、なぜ自分が間違っているのか見当がつかない。そんな彼女が唯一興味を持ったのが”コンビニ”でのアルバイトだった。

 

30半ばになっても浮いた話の一つもないアルバイト女性に対する世間の目は厳しい。身内からは煙たがられ、友人知人には好奇の目で見られる。彼女はコンビニ生活の中で、なんとか”普通”に見られようと奇妙な努力をする。

 

一見、暗い内容に見えるが、この作品にはどこかコミカルな雰囲気が漂う。芥川賞選考委員が「思わず笑ってしまう」と評しているのにも納得できる。主人公のズレた感覚から生まれる描写は実に痛快である。

 

悩みに悩み、模索した上で彼女は自分の中の直感に従って生きることに目覚める。

 

周囲に迎合して生きることが必ずしも正解ではない。他人がどう思おうが、自分と一生付き合っていくのは自分だ。自分自身の最大の味方は自分であるべきだ。

 

そんな当たり前のことに気付いた作品であった。