「何者」を読んで気付かされたこと
就活が舞台の小説
朝井リョウの小説がまた映画化されているそうだ。
「桐島、部活やめるってよ」で華々しくデビューした朝井リョウ。独特な視点から構成される小説はその後もヒットを生み、今や売れっ子作家の一人だ。
そんな朝井リョウの小説を一度も読んだことがない私が、豪華俳優陣で彩られる背表紙に惹かれて手に取ったのが本書「何者」だ。
物語の舞台は就活。
同級生が住むマンションの一部屋を就活対策本部とし、就活生たちの交流が始まる。
希望、憧れ、焦り、嫉妬。就活が進むにつれて、就活生たちの心情が徐々に変わっていく。一見魅力的な登場人物の陰の部分、ダサい部分が露見してくる。かつて就活を経験したことがある自分から見ても割とリアルだ。
そして、最後のどんでん返し。なかなか考えさせられた。
だれかが頑張っている姿を上から目線でバカにした経験はないだろうか。
一番愚かなのは、ダサくても努力する人々を嘲笑う自分自身だ。人をバカにすることからは何も生まれない。
どんな形であっても、行動する・前に向かうこと、その経験は自分の糧となる。