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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

ヒトよりも正確!?資産運用分野で急拡大するフィンテック(IT)〜日本経済新聞10月28日〜

 

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フィンテックの急成長が止まらない!

金融(ファイナンス)とIT(テクノロジー)を組み合わせた「フィンテック」の急成長が止まらない。以前当ブログにて、「ブロックチェーン」技術を用いて世界の大手銀行が手を組んだという時事を取り上げた。

 

kaidaten.hatenablog.com

 

フィンテック」と一言にいっても、その言葉が包含する分野は多岐にわたる。今回のエントリーでは資産運用分野で活躍する「ロボ・アドバイザー」の躍進から、フィンテックの可能性とそれに伴う危険性について考えてみよう。

 

日経記事要約

推奨投信を即答するロボ・アドバイザー

自己資金の運用に迷った都内勤務の弁護士は昨年末、資産運用アドバイザーの助言を仰いだ。銀行や証券会社でよくある風景のように見えるが、大きな違いがある。指南役はヒトではなく、「ロボ・アドバイザー」と呼ばれる自動プログラムだ。「お金のデザイン」社が独自開発したプログラムは、簡単な質問に答えると、最適な資産配分を利用者に提示してくれる。

 

www.money-design.com

 

 

 

このサービスは米国では一足先に普及期に入りつつある。ネット証券大手チャールズ・シュワブは2015年3月ロボ・アドバイザーの導入に踏み切り、3ヶ月で30億ドルを調達したという。経営コンサルA・T・カーニーの試算では、市場規模は2020年に2.2兆ドルまで上昇するとのこと。

 

金融機関担当者よりアルゴリズムの方が信用できる

投資家から預かった資金を運用のプロが増やす。対面営業中心のヒト臭い既存のビジネスモデルをフィンテックは駆逐しようとしている。「金融機関の担当者より『アルゴリズム』の方が信じられる」。100万ドル以上の個人資産を運用する米国在住の投資家は、人工知能を使った資産運用サービスの利用を開始した。試算運用に掛かる年間コストは大幅に削減されたが(なんと1/18!)、運用成績は以前と比較しても見劣りしないという。今後、このようなアルゴリズムを利用した低コストを武器に合理的な投資手法が広がれば、投資マネーの流れ自体も大きく変わるだろう。

 

感想〜フィンテック拡大に伴う大きな懸念点〜

以前の記事でも述べたが、フィンテックの急成長は止まらないだろう。至極当然な流れだからだ。しかし、ITを利用した自動化サービスにはメリットだけでなく、デメリットも伴うことを決して忘れてはならない。アルゴリズムによる資産運用からは「ヒト臭さ」が排除されると同時に、「ヒトによる抑止力」も届かなくなる。どんなアルゴリズムでも一定の条件が重ねれば極端な値を示すことがある。フィンテックが前代未聞の世界恐慌を引き起こす可能性だって十分にある。世界経済に大きな影響を与える資産運用分野でのアルゴリズムの活用には、十分に注意を払う必要があることをここで宣言しておく。