熊本地震ではっきりとわかった「耐震」の重要性
多くの人々が犠牲になった熊本地震
熊本地震で犠牲になった方々に対してお悔やみ申し上げます。
そして、今なお厳しい避難生活を強いられる県民の方々が、一日も早く安定した暮らしを確保できることを祈ります。毎日祈ります。
私は阪神淡路大震災の被災者の一人だ。災害の悲惨さについては把握しているつもりだ。自分にできる金銭的な援助はしようと思っている。
熊本地震で明らかになった新旧耐震構造の歴然たる差異
今回のエントリーは「耐震構造の重要性」にスポットを当てる。
トップ画像は熊本県益城町の被災現場の画像。向かって左側の土ぶき瓦の、いかにも古い住宅が数棟並んで倒壊し、道を塞いでいる。旧耐震基準の住宅だ。
一方で、その向かい側の住宅数棟には、目視では大きな建物被害は確認できなかった。使われている外装材などから、新耐震基準導入以降ではないかと推定される。
新旧耐震基準の歴然たる差異をご理解いただけるはずだ。
全国の耐震状況について
今、全国の住宅のおおよそ85%程度は新しい耐震基準(新耐震・81年以降)で作られているが、いまだ15%程度は古い基準(旧耐震・81年以前)のままとなっている。
これまでの地震でも、新耐震の住宅と旧耐震の住宅とでは、全倒壊してしまう確率が全く違うと報告がなされてきたが、今回の熊本地震でもやはり、その明暗がはっきり分かれてしまっているようだ。
築35年以上の住宅は「旧耐震」で、地震に対して脆弱である危険性が非常に高いのが実情である。築35年以上の住宅にお住まいの方々は是非一度、リフォームや立て替えの検討をオススメする。近隣の役所にはその窓口があるはずだ。
住宅は、普段は我々を守る存在だが、地震で倒壊すれば、一瞬で我々の命を奪う「凶器」にすらなり得る。
頭の片隅に入れておいてほしい。