企画から販売まで一人。女性社長が家電業界に革命をもたらす
社員一人!家電業界で注目されるUPQ
2015年に誕生したスタートアップ家電ブランドUPQ「アップキュー」。
女性社長一人で構想し、2ヶ月でスマホを中心とした製品の販売開始に着手。あまりのスピードに話題を呼んだ。NHK「ガイアの夜明け」でも特集が組まれたほどだ。
本エントリーでは、そんな家電業界の革命児「中澤優子」さんと、彼女が情熱を注ぐUPQについて紹介する。
スタートアップのモチベーションは「ケータイをつくりたい」
学生時代の就職活動を機に、文系ながらも「ものづくり」に携わりたいと思うようになった中澤さん。
専門的な知識はないが、身近にある「ケータイ」の機能に関する知識は誰にも負けない。「ケータイをつくりたい!」そんな熱い想いを持って、就活に奮闘。念願の家電メーカー「カシオ」に入社し、携帯電話事業部に配属される。彼女が企画したケータイ機種は見事ヒット商品に。自身の夢を叶えた。
しかしながら、会社はその後、携帯事業部から撤退。「ケータイをつくる」ことにこだわっていた彼女も同時に退社を決めた。
その後、退職金を元手に都内にカフェをオープン。これを成功させる。
カフェの経営が軌道に乗って生活に余裕ができたころ、今話題の「ハッカソン」の一つに参加する。ここでIoT(モノとインターネットを繋げる思想)の存在を知った彼女は、「ものづくり」の新たな可能性に気付く。これが彼女の人生の二つ目の分岐点、家電ベンチャーの設立に繋がる。
その後、冒頭で述べたように周囲が驚くスピードで自社商品を販売。デザイン性があり、機能特化した商品は人気を博し、大手量販店でも販売されるように。(なんて順風満帆なんだろう…)
なぜ一人でUPQを運営できるのか?
創業当初、社員は彼女一人。そもそもなぜ一人で企画から販売までカバーすることができるのだろう?
今の時代、高い管理費のかかる自社工場や倉庫を必ずしも持つ必要はない。生産量を絞って、中国などの安い海外メーカーに発注すれば製品は調達できる。
企画開発〜製造・販売までを一人で完結できるルートは存在するのだ。間接費を大幅に削減できる分、早いスピードで開発が可能になる。
UPQの戦略
大手と違った販売ルートを取ったからといって成功するとは限らない。世の中そんなに甘くない。
UPQの成功の裏には練りに練った戦略があった。
「デザイン高付加価値」×「スペック特化」×「安さ」
過剰機能を削ぎ落とし、シンプルにまとめた上で、特徴的な機能を目立たせる。それを統一化されたブランドデザインでまとめることにより、新たな価値を提供している。加えて、コストを抑えている分価格も安い。この3つの相乗効果が成功の秘訣だ。
最初に出来上がった商品はブルーグリーンで統一。アップルを彷彿とさせる洗練されたオシャレなデザインに注目が集まり、多くの媒体で紹介された結果、ネット販売だけではなく、大手量販店での販売も決まった。
中澤優子さんの人間性
とにかく開拓者精神がハンパない。逆境を乗り越えることに喜びを覚えるタイプだ。
そして度胸。TVを通じて見る彼女は、発注先の中国起業の社員に対しても毅然とした態度で接していた。思うようにならないことも多々あるだろうが、とにかく物事を前に進める。
彼女の活動を見聞きして、サイバーエージェント藤田晋さんの言葉を思い出した。
「ヒット商品は一人の熱狂から生まれる」
これからも輝く女性経営者として頑張ってほしい。