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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞関連の時事ネタを中心に書評ノートを公開中。小説や実用書、自己啓発本についてもたまにエントリー。

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巨匠がオススメする書籍 Ver1

日本経済新聞 実用書・自己啓発

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巨匠がオススメする本を紹介する

本エントリーから、日経新聞で定期的に特集が組まれる「目利きが選ぶ3冊」の内容を紹介していくことにする。

 

当ブログでは、私が普段読んだ本の書評をエントリーしているが、どうしても選書に偏りが生じる。

 

もともと自分の読書録のために開設したブログのはずだったが、最近ではアクセス数も増加し、書評から角度を変えたエントリーをすることも多くなった。そして意外にもそちらの方が評判がよかったりする。

 

そんなことも背景にあり、一つの試みとして、「他の人」が推薦する優良図書も当ブログで紹介していくことにした。

 

その一環として、日経新聞の「目利きが選ぶ3冊」の内容を抜粋してまとめていく。第一弾は、2016年3月10日の夕刊のものを拝借。

 

選書の際の参考にしてもらえれば幸いだ。

 

 

 

ご機嫌な彼女たち(文芸評論家 北上次郎氏 推薦)

ご機嫌な彼女たち

ご機嫌な彼女たち

 

 心が開く瞬間の美しさ

どうしてこんなところで涙があふれてくるんだろう。それはなんでもない場面である。万起子が「やだ、美香ちゃん」と言うシーンだ。本書は女性同士の友情を描く長編だが、万起子は自分が谷本さんではなく美香ちゃんと呼んだことに気づきもしない。しかし呼ばれた美香は、その言葉を耳にした瞬間、体中の血管がひろがって体が膨れたような気がする、という場面である。スタイリストの万起子は42歳、スーパー勤務の美香は29歳。仕事も年齢も異なる。共通しているのは、シングルマザーであることと、子どもが同じ小学校の同級生であることだけ。それでも心が開くときがある。奇跡のようなこの瞬間が美しい。

 

戦国の陣形(風俗史家 井上章一 氏推薦)

陣がまえの意外な史実

12世紀の源平合戦を、つぎのように語ることがある。某(なにがし)は陣形を「魚鱗(ぎょりん)」とにかまえたが、某はこれに「鶴翼」の陣で向きあった、と。しかし、当時の軍に自軍の陣がまえを整える発想はない。武将がそういうことに気をくばりだしたのは、もっとあとになってから。16世紀の戦国期から浮かびあがりだした現象である。乱世の革命児と目される織田信長が、その新機軸を打ち出したと思われようか。しかし、そうではない、新しい軍隊行動は、武田信玄とむきあったある国人領主が、ひねりだした。それをとりいれた上杉謙信によって、みがきあげられたのだという。「甲陽軍鑑」から読み取れる意外な茶目っ気の指摘には、笑わされた。

 

発達障害に気づかない母親たち(サイエンス作家 竹内薫 氏推薦) 

 幸せのためのエール送る

今や十人に一人が発達障害で悩んでいるといわれる。漫画「ドラえもん」に登場するジャイアンは、男の子に多い発達障害のタイプで周囲が気づきやすい。一方、不注意なのび太の性質は女の子に多く見られるもので、周囲に気づかれないまま母親になることが多いという。発達障害を抱えた母親は、不安にさいなまれ、落ち込んで、キレて、家族や周囲との人間関係を壊してしまう。長年、大人の発達障害に取り組んできた精神科医の著者は、「発達障害がある人は、とても純粋で、裏がなく、愛情深いという一面もあります」とエールを送る。その行動を「〜が苦手」程度に捉えながら、幸せに生きる方法を伝授してくれる本。

 

さいごに

おもしろい三冊だ。どれも普段なかなか読まないジャンルの本ではあるが、推薦文を読んでいると「買ってみようかな」と思わされるから不思議なものだ。

 

個人的に気になったのが、「発達障害に気づかない母親たち」。

 

十人に一人が発達障害という事実にも驚かされたが、それに気づかずに大人になってしまった「のび太くん」タイプのお母さんたちが、自身の障害とどのように対峙していくべきなのか。考えさせられる本だと思う。(まだ読んでないけど)