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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

日本の製造業にデジタルで新風を〜日本経済新聞8月31日社説〜

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日本の製造業×ITの力

日経新聞社説シリーズ。今回は、8月31日の社説「日本の製造業にデジタルで新風を」が題材。

 

個人的に注目していたベンチャー企業が取り上げられていて驚いた。記事の趣旨とは逸脱するが、若者が指揮を執るベンチャー事業が、日本経済の革新に繋がることは非常に嬉しく感じる。

 

デジタル技術の進展が、製造業に変革を迫っている。あらゆるものをインターネットにつなぎ、大量のデータを使って新たなビジネスモデルを競う時代の到来だ。機器単体ではなくサービスと一体で売る知恵や、事業のスピード感を企業は問われる。

 

 

 

独米中に後れとるな

ドイツは官民を挙げてITを取り入れた製造業の革新に乗り出した。部品の製造、組み立て、販売などの現場をネットワークで結び、データを共有して需要の変動に柔軟に対応できる生産体制の構築を目指す。

 

製造業領域の復活をねらうアメリカでは、産業機器にセンサーを付け、運用や保守に生かす試みなどが広がっている。経済問題で伸び悩む中国も、製造業のIT化に活路を探っているとのこと。

 

日本の製造業について~現状と問題~

日本にも、ITを取り入れた生産革新を押し進める企業がいくつかある。コマツはブルドーザーなどの建設機械をITで熟練者並みに自動制御するしくみを実現した。繊維大手の東レは、生産設備のデータを分析し、品質向上に生かしているそうだ。

 

問題はこうした動きが一握りの企業に限られること。日本の製造業が戦後の経済発展を牽引したのは間違いない。精密加工や品質管理のノウハウは財産である。

 

しかし、旧来型の機器販売は、価格競争に巻き込まれやすいことが問題だ。デジタル技術で新風を吹き込み、新たなフィールドに踏み出す必要があるだろう。製造業を強くするデジタル技術は多くある。

 

クラウドファウンディングの利用

例えば、事業のアイデアをネットに投稿し、必要な資金を大勢から集めるクラウドファンディング

 

ものづくりに応用すれば、投資リスクを抑えながら、実験的な製品投入に挑みやすい。ソニーが出資するベンチャー企業は、ドアのカギをスマートフォンで開け閉め可能にする電子機器の商品化にクラウドファンディングを使った。うまく利用することでベンチャー、さらには個人にも製造業の担い手を広げられる。

 

クラウドワークス

 

このサービスの大手クラウドワークス」には、ITなどの技能を持つ働き手70万人が登録する。エンジニア・デザイナー・ライターなど、100種類以上のプロフェショナルの登録があり、低予算で手軽に、安心して利用できるサービスとして、官公庁や上場企業のご利用実績も豊富だ。

 

クラウドワークスの創業話についてはチラっと聞いたことがある。日経の社説に登場するまでこの企業が成長するとは思っていなかった。すごい。)

 

crowdworks.jp

 

ネットを通じて社外から英知を取り込み、事業スピードをあげる。自前主義に陥らないオープンな姿勢は製造業の刷新にも必ず生きるはず。


日本の製造業は1千万人が働く中核産業である。IT活用を成長戦略に掲げている日本にとって、製造業を新世紀型に革新させることは必要不可欠だ。最近では、農業分野にも大手企業が乗り出し、ITを駆使して事業化を目指している。少子高齢化の今日、次世代の労働力をITにより生み出し、活用していくことが求められていると思う。