ファミレスのカフェ機能充実化〜日本経済新聞10月23日〜
ファミレスの新戦略
ファミレスが新たなサービスの取り組みに着手している。
今回のエントリーでは、凌ぎを削る喫茶市場にスポットを当ててみよう。
対象の日経記事は10月23日「『カフェ機能』充実 すかいらーく 女性・シニアに的」。
日経記事要約
ファミレス大手のすかいらーくはカフェ機能を強化した店舗を増やす。首都圏中心に展開する「ジョナサン」を年10~20店のペースで切り替えていくほか、主力の「ガスト」にも採り入れる。女性やシニア層を中心にくつろげる場所としてコーヒー店が人気を集めている。同社は昼間の閑散期の集客につながると判断、既存店の改装を進めていく。カフェ強化店は長居しやすいように布張りでクッション性をよくしたソファを置くほか、客席の仕切りを高くして隣の人が気にならないようにするとのこと。関東の数店舗で試験的に導入したところ、売り上げが1~2割伸びたという実績もある。
各社の動き
すかいらーくは、「ドリンクバー」に導入しているカフェ時間帯向けの品ぞろえを、強化店を含む全店に広げることも検討する。同社は本格的なカフェ「むさしの森珈琲」を始めている。ファミレス強化店を加えることで、拡大している喫茶需要の取り込みを急ぐ考えだ。
他社の動きはどうか。スターバックスコーヒーやドトールコーヒーなど都心を中心としたセルフ型コーヒー店は出店余地が少なくなっている。この状況下でスターバックスはTSUTAYAと提携し書店併設店を展開し客層の取り込みを図る。郊外ではドトール・日レスホールディングスの「星乃珈琲店」やコメダの「コメダ珈琲店」が食事を充実させて、ファミレスから顧客を奪ってきた(下図参照)。
感想
飲食業界、特に大手にとっては、新顧客の取り込みは永遠の課題である。すかいらーくは、閑散期の集客を目指すということで、カフェ機能の充実化を図る。他社もそれぞれ独自の戦略で顧客の囲い込みを図る。都内に足を運ぶと、様々なサービスを提供する飲食店がたくさん目に入る。マーケティング部門が練りに練った戦略であっても、それが顧客に受け入れられるとは限らない。数年後、この業界はどうなっているか、誰にも分からない。