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日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

欧州難民問題 バンキシャで特集

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欧州難民問題がバンキシャで特集される

日テレの「真相報道 バンキシャ」9月13日の放送にて、欧州の難民問題が取り上げられていた。シリアを中心とした難民目線からこの問題を捉えた特集が組まれていて、なかなか考えさせられる内容だった。ということで今回は、「欧州難民問題」について、過去の日経社説の内容を絡めて考えてみる。対象の日経社説は9月12日「欧州難民問題に国際社会も手差し伸べよ 」

 

 

 

社説要約

欧州で難民・移民の大量流入で混乱が広がっている。影響はカナダなどにも及び、受け入れ拡大を表明する国も増えてきた。これ以上の混乱拡大を防ぐには、欧州以外の国際社会の支援も欠かせない。日本も国際貢献につながる人道支援強化などの対策を検討すべきだ。

 

▪️欧州での難民・移民問題の現状

欧州では内戦が続くシリアなどからの難民や不法移民の流入が急増。主に内戦などを逃れた難民や高い生活水準を求める不法移民で、大部分が地中海やトルコ、ギリシャを経て、ドイツ、フランス、英国などを目指している。まず当事者の欧州連合(EU)が対応を急ぐべきだが、なかなか共通の対策を打ち出せていない。過去最高の80万人が流入する見通しのドイツは、受け入れを欧州全体で分担すべきだと主張している。これにはハンガリーなど東欧諸国が受け入れ態勢の不備などを理由に強い難色を示しており、実現には曲折も予想される。さらに亀裂が広がれば、欧州の求心力を弱めかねない。

 

▪️欧州以外の活動と日本

欧州以外の国際社会も支援に動き出した。米国が欧州各国への支援を検討し始めており、カナダでは、受け入れを増やすべきだとの議論が浮上している。ブラジルなど南米各国やオーストラリア、ニュージーランドも受け入れ拡大の方針を表明した。難民の大量流出の原因となっている内戦の終結や地域の安定に向けた取り組みも重要。国際社会が結束して、中東や北アフリカの政情安定に向けた外交努力などを一段と強化する必要がある。日本は難民認定が極端に少ないが、申請は急増している。世界的に難民が増える中で国際社会にどう貢献するか検討を急ぐべきだろう。

 

難民受け入れに積極的なドイツ

▪️ドイツが難民を受け入れる理由

欧州の中でも積極的に移民の受け入れを行っているドイツ。この背景にはどのような事情があるのだろうか。ユダヤ人虐殺に対する反省と贖罪もあるだろうが、最も大きな要因は「少子高齢化に伴う労働人口の低下」だ。ドイツでは今後、少子高齢化が一気に進むと予想されている。迫り来る深刻な危機に対応するため、難民を労働力として取り入れる方針ということだ。シリア人難民が「若くて、教育程度とモチベーションが高い」こともこの構想を支える要因となっている。

▪️ドイツの難民受け入れに伴う弊害

一方で、長年移民や難民を大量に受け入れてきたドイツでは、治安悪化やテロリスクなどが高まっている事実もある。実際国内では移民の大量受け入れに対する反発する声も大きく、難民の収容所が襲撃にあうという事件が頻発しているという。ドイツ政府は、「労働力不足」と「治安悪化」という相反する二つの問題の中で、妥協点を探っている状態と言える。

 

これからの日本は?

少子高齢化が進むのは日本も同じ。ドイツの事例は決して他人事ではないはずだ。実際、日本でも介護分野を中心に外国人労働者の労務環境を整える動きが活発化している。不足する労働力を外国人の力を借りて補完する必要に迫られる場面が今後必ず出てくる。現状、日本の難民受け入れ制度は極端に厳しい。2014年度は、5000人が日本に難民認定をしたものの、難民認定されたのはたった11人。もちろん、治安が悪化したドイツの事例から学ぶことは多い。しかしながら、世界的に難民受け入れの窓口を開くことが求めらている今日、日本はどのような姿勢でこの問題と向き合っていくべきなのだろうか。