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kaidaten's blog~書評ノート~

日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

今最も勢いのある編集者の著書「死ぬこと以外かすり傷」

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幻冬社の変態編集者「箕輪厚介」の著書

死ぬこと以外かすり傷

死ぬこと以外かすり傷

 

箕輪厚介という男をご存知だろうか。私は知らなかった。ホリエモンの「多動力」や、「お金2.0」などのベストセラービジネス書を世に出した幻冬社の編集者だ。

 

最近、ホリエモンや落合陽一の本の横にやたらとあるこの本、興味がそそられてついつい本屋で立ち読みしてしまった。タイトルは「死ぬこと以外かすり傷」。きっしょ。

 

この人の敏腕ぶりは本当にすごくて、編集者としての行動力は半端ない。あと、完全に会社を利用し尽くして自分の利益に繋げているところなんかはまじリスペクト。

 

箕輪厚介が編集したビジネス書は何冊か読んだことあるんだけど、総じて内容はペラッペラ。でも暇つぶしにはちょうどいいんだよね。本には、大切に読み続けられる一冊と、週刊誌みたいに代謝が早くてすぐ捨てられる紙屑の2種類ある。ミノワマンの本は間違いなく後者で、本人もそれを狙ってると思う。とにかくおもろいけど寿命が短い本を大量に売ることを信条にしている、っぽい。てかビジネス書なんてそんなもんか。

 

だから彼が編集した本を購入することは滅多にないんだけど、暇つぶしの立ち読み時にはすごくお世話になっている。そういうライトで読みやすい本を好む読者も多いだろうから需要は絶対にあるよね。時代の流れ、掴んでますよね。

 

伝説の雑誌「ネオヒルズジャパン」

そういえば、昔、稀代の詐欺師「与沢翼」が表紙を飾る「ネオヒルズジャパン」なる雑誌が発売されて、思わず本屋で食い入るように立ち読みしてしまったんだけど、これを仕掛けたのも実はミノワマンだそう。あの雑誌は胡散臭いなりにも超面白かった。勢いあった。

活字にすると、人の熱狂とかそういうものって見えなくなるもんだと思ってたんだけど、実際はそんなことなくて、丁寧に推敲された文章と、アドレナリン出まくりの短期集中で生み出された文章は構成から何から何まで全然違う。ミノワマンの本は短期集中型なので、読者も自然とバーと読めちゃう。だからマスにヒットするのかもね。

 

ミノワマンはオンラインサロンとかも運営してて、個人でもガッポリ稼いでいるよう。「死ぬこと以外かすり傷」には、彼が一編集者から成り上がって著名人の仲間入りするまでに至ったプロセスとか、これからの仕事に対する考え方が書かれてたんだけど、全然参考にならなかった。この人のロジックをそのままトレースしようとすると、アホみたいな体力いるんだけど、普通の人は途中で心折れて潰れちゃうからね。こういう変な人の話は、あくまでエンターテイメントの一部として受け止めないとね。

 

編集者の仕事って地味なものだと思ってたんだけど、そんなことないんだね。奥が深い。嘘。