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日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

安保対案との接点を見いだせ~日本経済新聞8月21日社説~

 

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安保対案との接点を見いだせ

日経新聞社説シリーズ。8月21日の社説を題材に安全保障条約の現状について考える。

 

維新の対案内容

維新の党が安全保障関連法案への対案を参院に提出した。

 

維新が作成した5法案は衆院に提出したものとほぼ同じだが、海外に派遣した自衛官が不正に武器を使用した場合の処罰規定などを加えた。さらに領域警備法案など3法案を民主党と一緒に提出することを検討中とのこと。

 

注目すべき点は、今回維新が与党に提出する対案の内容を細かく分けていること。その理由は、現行案と対案との接点探しをしやすくし、抜本的ではなくともより国民にとって安全な方向に法案を修正させるためだ。維新衆院段階でも対案を出したが、与党は「内容的に距離がある」として早々に法案の修正協議を打ち切っている。参院では、衆院で大詰めを迎えたときよりも時間に少し余裕がある。

 

野党提案をオール・オア・ナッシングで論じれば政府・与党も受け入れ難いだろう。小さくとも折り合える部分があれば取り入れ、法案修正する。そうした態度で与党が協議に臨むことを期待したい。

 

 

 

感想

今回、維新の党が取ったアプローチは評価されるべきだと思う。

 

世間では「安全保障条約法案の修正」そのものの是非が問われることが多い。SNS上では「日本が戦争国家になってしまう」などの抽象的な言葉で人々の危機感を煽る輩もいる。

 

政治に対して国民が積極的に自分たちの意見を主張することは重要なことだ。しかし、この法案を取り巻く環境は本当に難しいのだ。近隣の北朝鮮や中国の軍事強化や、アメリカとの交友関係など、背景には深い事情があり、それを加味して法案を成立させようとしているのである。

 

それを頭ごなしに否定するのではなく、内容を吟味し、今後の日本にとって改善すべき点があればそこを指摘する。維新含め、他の野党が現在取っているアプローチは、この難しい状況下で適切なものだと思うし、与党はその対案内容をきちんと鑑みて法案の内容を再検討する機会を持つべきだと思う。