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日経新聞の要約や書評を中心にエントリーしてましたが、最近はざっくばらんにやってます。

税収増頼みの2016年度予算〜日本経済新聞2015年12月25日〜

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2016年度予算で暮らし、経済はこう変わる

国民である我々にとって、その年一年の国の政策の基準となる年度予算を知っておくことは非常に重要である。若干出遅れた感はあるが、16年度予算案に関する日経記事の内容を本エントリーでまとめてみた。当ブログで紹介してきた時事ネタも如実に反映されいるので、記事を編集していて個人的におもしろかった。

 

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税収増と借金抑制の両立

2016年度予算案は総額96兆7218兆円閣議決定した。

 

社会保障分野を中心とする歳出が膨張した一方で、借金への依存度はリーマン危機前の水準に下がるという結果に。

 

7年連続の税収増が歳出膨張と借金抑制の両立を可能にした。税収増の勢いは天井に近づきつつある。

 

個別の予算内容については、以下の表にざっくりまとめてみたので参考にしてほしい。公共事業費が増えたことに加えて、地方創生やTPPなど新たな仕組みに必要な予算を捻出した結果、2016年度予算は膨らみに膨らんでいる。

 

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2016年度予算の課題

成長と財政健全化の両立に向け歳出構造の改革が課題だ。「成長と分配の好循環」。安倍首相はこんな言葉を口にした。2016年度予算案は、成長優先だったこれまでとは異なり、子育て支援策など一億総括関連の政策に2.4兆円を充てる。

 

新規国債は減少

安倍政権の予算編成は今回で4回目。予算規模を示す一般会計は12年度と比べて6.3兆円増える。それでも新規国債の発行は約34兆円となり、12年度と比べると10兆円近く減る。

 

カギは景気回復を起点とする税収増だ。円安を頼りにした経済政策アベノミクスは企業収益を伸ばし税収が増える好循環を生んだ。その成功が、歳出削減を先送りしながら国債を減らすことも可能にした。

 

しかしながら、このいいとこ取りの状況をいつまで続けられるだろうか。「今の財政収支の改善は景気の循環要因に支えられており、みかけほど財政は好転していない」。JPモルガン証券の菅野チーフエコノミストはこう指摘する。

 

経験則に基づけば税収増の天井は近いようにも見える。経済規模の2倍の借金を減らす道筋をつけられない我が国の財政への各国からの評価も厳しい。税収増頼みで歳出改革を先送りできる余地はそこまで残されていないのかもしれない。